チェーン店で開業するメリットとデメリット!チェーン店が強い業種業態は?

フランチャイズWEBリポート編集部 |2018年09月26日 公開 (2021年04月02日 最終更新)
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チェーン店とは、1つのブランドで店舗デザインや商品、サービスを統一しているお店のことで、経営スタイルによって主にフランチャイズチェーン、レギュラー(直営)チェーン、ボランタリーチェーンに分けられます。一般的に、フランチャイズチェーンはコンビニや飲食店が多く、その他のチェーンは小売りやサービス業、不動産業など多業種で展開されています。

起業を検討するにあたり、チェーン店への加盟は有力な選択肢ではあるものの、それぞれの特徴や違いは知っておきたいところです。そこで、メリットとデメリットを含めて3種類のチェーンについて詳しく紹介します。

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商売で勝つための王道「多店舗展開」を知ろう

1つの会社が複数のお店を展開する多店舗展開は、小売業界でライバル他社に勝つために考えたい施策です。多店舗展開の強みのひとつが、仕入れで活きるスケールメリットです。複数店舗を経営している場合、各店舗が仕入れをするよりは、会社がまとめて仕入れたほうが手間を軽減できるうえに、大量仕入れの単価交渉により仕入れ原価を抑えられる可能性も高まります。

たとえば、同じ商品を扱う店舗を10店舗経営している場合、店舗ごとに商品を10個ずつ仕入れるよりも、会社でまとめて100個仕入れたほうが単価の交渉がやりやすいでしょう。また、多店舗展開により知名度が高くなれば、広告コストの削減や集客力の向上も見込めます。

そのほか、各店舗の販売方法から最も効率的な手法を見つけたり、売れ筋商品が分かりやすくなったりするなどのメリットもあります。

日本国内の代表的なチェーン店

日本国内において多店舗展開している会社は多くあり、なかでも身近な飲食店で人気のあるチェーン店としては以下の5つが挙げられます。

1.マクドナルド(約2,900店舗)
2.ほっともっと(約2,500店舗)
3.すき家(約1,900店舗)
4.ガスト(約1,300店舗)
5.モスバーガー(約1,250店舗)
※2021年1月調べ

また、物販系のチェーンでは、コンビニのセブンイレブンは全国に20,000店以上を展開。そのほか100円均一ショップのダイソーやSeria、洋品店のしまむら、CDなどを販売するゲオやTSUTAYAなどがあります。街中でよく見かけるクリーニング店のホワイト急便は全国に約6,000店舗あるといわれており、チェーン店は私たちの暮らしに馴染み深い商売形態と言えるでしょう。

フランチャイズとレギュラーチェーン店の違い

一口にチェーン店と言っても経営スタイルはさまざまです。主なチェーン店の形態としては、フランチャイズチェーン、レギュラー(直営)チェーン、ボランタリーチェーンの3つがありますが、それぞれで特徴が異なります。ここでは、各チェーン店の仕組みと特徴を紹介します。

フランチャイズチェーンの特徴

フランチャイズチェーンとレギュラーチェーンでは、資本面や運営体制などの面で違いがあります。

フランチャイズの場合は、フランチャイザーと呼ばれる本部企業から、お金を払ってブランドの商標利用や経営ノウハウなどのサポートを受けたフランチャイジーと呼ばれる加盟店が店舗を運営しています。フランチャイザーによって、契約期間やロイヤリティの取り決め、サポート内容などの面で違いがありますが、独自に商品を開発しなくてもフランチャイズ本部が提供するサービスや商品の販売を行なうことができます。

さらに、フランチャイズ本部によっては独立開業支援の一環として、インターン制度や融資などの仕組みが用意されているので、フランチャイジーは開業にかかる自己資金を比較的抑えることが可能です。フランチャイジーは本部からこれらのサポートを受ける代わりに、フランチャイザーにロイヤリティを支払うものだと捉えておきましょう。

代表的なフランチャイズチェーンとしては、TSUTAYA、ブックオフ、カレーのCoCo壱番屋などが挙げられます。また、直営店もまれにありますが、セブンイレブンやローソンといった大手コンビニエンスストアのほとんどはフランチャイズチェーン方式で展開されています。

レギュラーチェーン(直営店)の特徴

その一方で、レギュラーチェーン店(直営店)とは、開業・運営するための資本は運営企業の自己資本が基本となるだけでなく、同一企業による運営のためサービス品質や経営方針などが統一されているほか、店舗の収益はすべて運営企業の収益となるのが特徴です。 直営なので当然、フランチャイズのように外部から店舗経営者の募集などはしておらず、運営企業の社員として各店舗に店長やスタッフが配属される形になります。

たとえば、総合スーパーのイオン、ドラッグストアのウエルシア薬局、ファミリーレストランのサイゼリヤ、ホームセンターのコメリなど身近なところにたくさんあります。

ボランタリーチェーンの特徴

独立した小売店同士が集まって組織化し、チェーン展開している団体をボランタリーチェーンと言います。チェーンという言葉自体はフランチャイズチェーンと同じですが、ボランタリーチェーンは加盟店が主体となった横のつながりになっており、縦のつながりのフランチャイズチェーンとは仕組みが異なります。

加盟店同士で情報を共有して地域に住む消費者向けの商品を揃えたり、地域にマッチした適正な価格にしたりなど、地域に溶け込んだ営業をしやすいのが特徴です。

ボランタリーチェーンとして経営している企業やお店には、ギフトを取り扱うシャディ、寝具を扱う西川株式会社など、業種を問わずたくさんあります。

チェーン店のメリット・デメリットとは?

それぞれのチェーン店には異なる特徴があることが分かりました。では、どのようなメリットとデメリットがあるのか見ていきましょう。

【フランチャイズチェーンのメリット】

■経営するためのノウハウを学ぶことができ、開業後は経営のサポートを受けられるので、未経験でも参入しやすい。
■ブランドの知名度を活かした営業ができるので集客に困る心配が少なくなる。
■個人で独自開業するよりも割安な資金で開業できるチェーンがある。

【フランチャイズチェーンのデメリット】

■ブランドイメージが下がってしまうと売り上げが急落する可能性がある。
■売り上げが悪くてもロイヤリティを支払う必要があったり、店舗運営に関する制約が厳しく自由度が低かったりするフランチャイズチェーンもある。

【レギュラーチェーンのメリット】

■店長クラスになると店舗運営や人材マネジメントのスキルを身につけられる。
■複数店舗を統括するエリアマネージャークラスでは、店長クラスよりも店舗や人材の管理スキルを高められるうえに、経営ノウハウも身につきやすい。

【レギュラーチェーンのデメリット】

■店舗運営に関する意思決定権は会社側にあるケースがほとんどのため、自由度の低さは独立志向の強い人にとってデメリットになりえる。

【ボランタリーチェーンのメリット】

■扱う商品やサービス、提供スタイル、店舗ごとのキャンペーンなども比較的自由に決められるため、フランチャイズチェーンに比べて自由度が高い。
■資材や商品の仕入れ本部が一括して行ってくれるため、スケールメリットを活かした仕入れ費の削減が期待できる。

【ボランタリーチェーンのデメリット】

■フランチャイズチェーンに比べて知名度が高いボランタリーチェーンは少ない傾向にあり、集客に苦労する可能性がある。
■店舗運営における自由度が高い一方で、問題点をクリアする経営手腕が必要。

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フランチャイズのロイヤリティとは?

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フランチャイズのロイヤリティが高いと感じている人が多い一方で、集客の安定や研修の充実度に満足している加盟者も少なくありません。ロイヤリティの適切な割合や金額は、業種や満足度にもよるため一概には言えませんが、大事な点はこのフランチャイズ本部に対してであれば、これだけのロイヤリティを支払っても良いと納得できるか、という部分にあるでしょう。

たとえば、ロイヤリティを無料としているフランチャイズチェーンもあれば、売り上げの数十%をロイヤリティとして本部に支払うところも少なくありません。ロイヤリティは、継続的に支払う必要があるお金ですから、しっかりと理解したうえで開業を検討しましょう。

ロイヤリティはどうして必要なのか?

たとえば、「仕入原価は高いが、ロイヤリティが低い」「加盟金は高いものの、その後の支払いが少なくて済む」といったように、額面上でもさまざまな見せ方が存在しますが、そもそもロイヤリティとして支払ったお金は、商品開発や広告宣伝、フランチャイズシステムの改善といった部分に使われます。

また、サービスのクオリティチェックや問題点の解決、クレームなどの電話対応や人材採用などのサポートをするための費用もロイヤリティから捻出されるほか、損害保険料や棚卸しの費用、会計簿記の費用として使われています。そして、それぞれの加盟店に集客や客単価の向上、運営面での効率化といった形で還元されるものです。

ロイヤリティが何に使われているか知る

フランチャイジーである加盟店の売上を上げることで、ロイヤリティ収入が増えフランチャイズ本部も儲かります。逆にフランチャイズ加盟店の売上が上がらなければ、フランチャイズ本部は儲かりません。フランチャイズ本部もイチ企業ですから、儲からなければ運営はおろか、投資は消極的になるでしょう。

つまり、ロイヤリティが高く設定されているからという視点だけで加盟を決断してはいけません。ロイヤリティがどのように循環しているのか、フランチャイズという枠組みをしっかりと見極める必要があるでしょう。

ロイヤリティについてさらに詳しく知るには以下の記事も参考にしてみてください。

フランチャイジーに向いている人とは?

フランチャイズへの加盟を検討する場合は、ロイヤリティの高い安いだけに囚われてはいけないということが理解できたのではないでしょうか。そんな、フランチャイズの仕組みを積極的に活用するのに向いている人の特徴があります。

資金不足のため開業を悩んでいる人

まず、何かビジネスを始めたいと思っているのに、自己資金が少ない人です。自力で開業をするにはどんな業種であれ、それなりに資金が必要となるでしょう。しかし、フランチャイズの仕組みを使えば、本部からの支援を受けられるため、ゼロからスタートする起業するよりも初期費用や時間を抑えることができます。

その1つが店舗をフランチャイザーが用意してくれるケースです。いつか自分の店を持ちたいと感じていても土地や建物も所有しておらず、購入資金もない人にとってはメリットが大きいはずです。

経営について学びたい人

また、これまで自営業などの経営経験がない人でも決して難しくはありません。経験がある人は今まで培った経営ノウハウを活かすことができますし、経験がない人は本部が提供する経営ノウハウでイチから学んでいくことができるでしょう。

「経営をやってみたい」という気持ちがあるが、アイデアやノウハウがないという人にとって、フランチャイズ加盟は有力な選択肢となるでしょう。全国各地で説明会などが開催されているので、一度足を運んでみるとさらにイメージを実感できるでしょう。

経営の成功を目指すならチェーン店は要チェック!

多店舗展開には、スケールメリットを活かして仕入れコストを削減できたり、各店舗との情報共有により効率よく営業できたりするなどのメリットがあります。これから起業をするなら、リスクが少なく成功への道が見え易いチェーン店参加は有力な選択肢です。

また、自分なりの個性を出したいならボランタリーチェーンを活用するという方法もあるでしょう。堅実にいくなら希望する小売会社に就職し、直営店での勤務を願い出る方法もあります。

独自開業は、多額の資金が必要になるのはもちろん、業界の情報を収集、分析したうえでコンセプトを設計するなどハードルが高い傾向にあることからも、フランチャイズ加盟などを活用した開業をおすすめします。

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